まずはこれだけ! コロンビア国内リーグ入門 その1
コロンビアサッカー、いや失礼、コロンビアフットボールの世界へようこそ!
目次
- リーグの構成
- リーグ形式
- 昇格・降格のルール
- ざくっと歴史
1. プリメーラAとBからなる二部制リーグ
日本でのJ1リーグに当たる1部リーグは「カテゴリア・プリメーラA」と呼ばれ、全国から20クラブが参加する国内最上位リーグです。
有名どころで言うと、コロンビア第二の都市メデジンのアトレティコ・ナシオナル。2016年のクラブW杯では大勢のファンを引き連れ来日。「鹿島アントラーズ世界2位」のお膳立てをして日本でも有名になりました。
もう一つの有名チームは2019年後期のチャンピオン、アメリカ・デ・カリ。コロンビア第三の都市カリに本拠地を構える古豪です。胸スポンサーのペプシのロゴが クソださい カッコイイのが特徴です。
プリメーラ B は日本のJ2リーグにあたり、全16チームが1部昇格を目指して戦います。(昇降格のルールに関しては後ほど)
テレビ放送などでは、現在のタイトルスポンサーであるオンラインカジノ運営会社の名前を取って「リーガ・ベットプレイ・ディマジョール(Liga BetPlay Dimayor)」と呼ばれます。
※ディマジョール(Dimayor)は主催団体の名前
2. 若干ややこしいリーグフォーマット
スポンサーや組織内部の思惑でコロコロと変わりますが、基本的には前後期の二部制を採用しています。
2019年に決まったルールを簡単に解説しましょう。
前期は「アペルトゥーラ(Apertura)」後期は「フィナリサシオン(Finalización)」と呼ばれいます。1月から6月に前期、若干の夏休みを挟んで8月から12月に後期が行われます。
各期は3つのステージに分かれていてそれぞれチャンピオンを決めます。それぞれ独立した大会なので年間王者などは決めません。
ファーストステージ(リーグ戦)
20チームによる総当たり戦(各チーム19試合を戦う)セカンドステージ(プレイオフ)
リーグ戦の上位8チームを2つのグループに分けて、それぞれホームアンドアウェイの総当たり戦 をおこなう(各チーム6試合)サードステージ(決勝)
プレイオフの各グループ1位がホームアンドアウェイで戦い優勝クラブを決める。
2019年は前期を 北部の港町バランキージャ に本拠地を置く「ジュニオール(Junior)」が、後期はカリのアメリカが制しました。
3. 多少ややこしい昇降格のルール
一部リーグからの降格
Jリーグと違い、過去3年間(6期)の成績を見て降格が決まります(なんか高校受験みたい)。3年間の平均勝ち点が少ない2チームが二部リーグへ降格になります。
二部リーグからの昇格
二部リーグでは年間を通じての総当たり戦が行われます(各チーム15試合)そして上位8チームが2つのグループに分かれてプレイオフを戦い、それぞれのグループの勝者が翌シーズンの昇格権を獲得できます。
昨年はリーグ発足の翌年から参戦している古参デポルティボ・ペレイラ(Deportivo Pereira)が8年ぶりの1部昇格を決めました。
4. さらっと歴史を紹介
コロンビアでは北部のバランキージャなどを始めに、1910年代からアマチュアのチームが参加するサッカーの大会は行われていました。
この混沌の時代はこちらの記事で↓
色々とあって最初のプロリーグ戦は1948年。ボゴタやカリなどから10クラブが参加しました。(当ブログではこのクラブをオリ10と呼んでいます)
しかし、その翌年にはアマチュアサッカーの運営をしていたAdefútboltと現在の運営機関であるDIMAYORの争いが激化。FIFA様のお怒りに触れ、当面の(クラブと代表の)国際試合からの禁止を通告されてしまいました。
これが原因でコロンビアサッカーは衰退の一途をたどった......
と思いきやこの期間は「エル・ドラード(黄金期)」と呼ばれています。
それも、49年にアルゼンチンの政情不安と労働組合のストライキがあり、それに乗じてコロンビアのクラブはアルゼンチンのスーパースターを移籍金なしで獲得できたのです。スター軍団を作り上げ、5年で4回の優勝を果たしたミジョナリオス(Millonarios)はリーグ史上最強のチームと言われています。
しかし、そんな時代もFIFA再加入により終わりを迎えます。
そしてこの時代から各チームは財政に苦しみます。プリメーラAでプレー経験のある48クラブの内、15クラブは現在カテゴリア・プリメーラに存在しません。
1968年に南米諸国に従い前後期の二期制を採用します。
その後も度重なる政情不安や麻薬カルテルの台頭、内戦などサッカーリーグに取って渋難の時代は続きますが、レフェリーが殺害される事件が起こった1989年以外は2019年まで毎年リーグは続いています。
1991年には二部リーグと三部リーグが発足しました(三部リーグは財政難などの理由で後に消滅)
2001年を最後に年間王者を決めない完全二期制に移行し、その後は毎年2つの優勝クラブを決める形式で今日に至っています。
歴代の優勝回数では、アトレティコ・ナシオナル、ミジョナレス、アメリカ・デ・カリの3チームが圧倒的に強く、そこにデポルティボ・カリ、ジュニオール、サンタ・フェ、インデペンディエンテ・メデジンなどが続いています。