コロンビアサッカー情報局

サッカーコロンビア代表、国内リーグの情報を発信していきたい(がんばえ〜)

「ゴール後にハグできない理由はなんだろう?」ファルカオが疑問を呈する【翻訳】

(この記事は5月16日GOLCARACOL.COM
Falcao García: “¿Existirá una razón técnica para que no se permita el abrazo en los goles?”」の翻訳です。)

先日トルコでは6月中旬にフットボールが再開されるという報道がありましたが、ブンデスリーガは土曜日に世界中の注目を集めながら開幕しました。

 ラダメル・ファルカオ・ガルシアフットボールの再開にあたって取られている健康対策について疑問を呈しました。

フットボールを見ていて思ったんだ。ゴールの後にハグできない何か専門的な利用があるのだろうか、と。試合中僕たちは常に接触してるからね。コーナーキックの時なんかディフェンダーが真上にいるし、壁を作る時なんかもぴったりくっついている。」 
とコロンビア人ストライカーは綴っています。

 

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ラダメル・ファルカオ公式ツイッター @FALCAO より



 

【チーム紹介】 アメリカ・デ・カリ〜赤い悪魔

チーム紹介シリーズ第一回!

 

 [ 写真 アメリカ公式サイト参照 Photo: America Official]

 

まずは私の大好きなこのクラブから。


コロンビア第三の都市サンティアゴ・デ・カリに本拠地を置く
赤い悪魔 ことアメリカ・デ・カリ (América de Cali S. A)

 

コロンビア国内の1部リーグ「カテゴリア・プリメーラ A 」でプレーする歴史あるチームです。

2019年シーズンを清水エスパルスでプレーするGKネト・ヴォルピの加入でも話題になりました。

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コロンビアサッカーリーグの歴史 その1 アマチュア時代

コロンビアのサッカーの歴史は北部の港町バランキージャに始まります。

1900年に始まった鉄道敷設に伴ってコロンビアへやってきたイギリス人技師がサッカーを持ち込みました。

詳しいことはわかっていませんが、1909年にはコロンビア西部の街パストでサッカーの試合がおこなわれていたという記録があります。

この頃から各地でアマチュアのサッカーチームが作られます。

現在もカテゴリア・プリメーラに残るクラブでいうと、1912年に創設されたカリ・フットボールクラブデポルティボ・カリ)。翌年にはメデジンフットボールクラブ(のちのインデペンディエンテ・メデジン)ができます。北部の街バランキージャにはユベント・ジュニオールジュニオール)が、ノルテ・デ・サンタンデールの首都ククタにククタ・フットボールクラブ(ククタ・デポルティボ)がそれぞれ創設されます。*

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まずはこれだけ! コロンビア国内リーグ入門 その1

コロンビアサッカー、いや失礼、コロンビアフットボールの世界へようこそ! 

 

 目次

  1. リーグの構成
  2. リーグ形式
  3. 昇格・降格のルール
  4. ざくっと歴史

 

 

 

1. プリメーラAとBからなる二部制リーグ

日本でのJ1リーグに当たる1部リーグは「カテゴリア・プリメーラA」と呼ばれ、全国から20クラブが参加する国内最上位リーグです。

有名どころで言うと、コロンビア第二の都市メデジンアトレティコ・ナシオナル。2016年のクラブW杯では大勢のファンを引き連れ来日。「鹿島アントラーズ世界2位」のお膳立てをして日本でも有名になりました。

 

futbolcolombia.hatenablog.com

 

もう一つの有名チームは2019年後期のチャンピオン、アメリカ・デ・カリコロンビア第三の都市カリに本拠地を構える古豪です。胸スポンサーのペプシのロゴが クソださい カッコイイのが特徴です。

 

futbolcolombia.hatenablog.com

 

 

プリメーラは日本のJ2リーグにあたり、全16チームが1部昇格を目指して戦います。(昇降格のルールに関しては後ほど) 

テレビ放送などでは、現在のタイトルスポンサーであるオンラインカジノ運営会社の名前を取って「リーガ・ベットプレイ・ディマジョール(Liga BetPlay Dimayor)」と呼ばれます。

※ディマジョール(Dimayor)は主催団体の名前

 

 

2. 若干ややこしいリーグフォーマット

スポンサーや組織内部の思惑でコロコロと変わりますが、基本的には前後期の二部制を採用しています。

2019年に決まったルールを簡単に解説しましょう。
前期は「アペルトゥーラ(Apertura)」後期は「フィナリサシオン(Finalización)」と呼ばれいます。1月から6月に前期、若干の夏休みを挟んで8月から12月に後期が行われます。

各期は3つのステージに分かれていてそれぞれチャンピオンを決めます。それぞれ独立した大会なので年間王者などは決めません。

 

ファーストステージ(リーグ戦)
20チームによる総当たり戦(各チーム19試合を戦う)

セカンドステージ(プレイオフ
リーグ戦の上位8チームを2つのグループに分けて、それぞれホームアンドアウェイの総当たり戦 をおこなう(各チーム6試合)

サードステージ(決勝)
レイオフの各グループ1位がホームアンドアウェイで戦い優勝クラブを決める。

 2019年は前期を 北部の港町バランキージャ に本拠地を置く「ジュニオール(Junior)」が、後期はカリのアメリが制しました。

 

3. 多少ややこしい昇降格のルール

一部リーグからの降格

Jリーグと違い、過去3年間(6期)の成績を見て降格が決まります(なんか高校受験みたい)。3年間の平均勝ち点が少ない2チームが二部リーグへ降格になります。

 

二部リーグからの昇格

二部リーグでは年間を通じての総当たり戦が行われます(各チーム15試合)そして上位8チームが2つのグループに分かれてプレイオフを戦い、それぞれのグループの勝者が翌シーズンの昇格権を獲得できます。

 

昨年はリーグ発足の翌年から参戦している古参デポルティボペレイラ(Deportivo Pereira)が8年ぶりの1部昇格を決めました。

 

 

4. さらっと歴史を紹介

コロンビアでは北部のバランキージャなどを始めに、1910年代からアマチュアのチームが参加するサッカーの大会は行われていました。

 

この混沌の時代はこちらの記事で↓

futbolcolombia.hatenablog.com

 

色々とあって最初のプロリーグ戦は1948年。ボゴタやカリなどから10クラブが参加しました。(当ブログではこのクラブをオリ10と呼んでいます)

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初代優勝はサンタフェ(Santa Fe)(Image by El Espectador*)

しかし、その翌年にはアマチュアサッカーの運営をしていたAdefútboltと現在の運営機関であるDIMAYORの争いが激化。FIFA様のお怒りに触れ、当面の(クラブと代表の)国際試合からの禁止を通告されてしまいました。

これが原因でコロンビアサッカーは衰退の一途をたどった......

と思いきやこの期間は「エル・ドラード(黄金期)」と呼ばれています。
それも、49年にアルゼンチンの政情不安と労働組合ストライキがあり、それに乗じてコロンビアのクラブはアルゼンチンのスーパースターを移籍金なしで獲得できたのです。スター軍団を作り上げ、5年で4回の優勝を果たしたミジョナリオス(Millonarios)はリーグ史上最強のチームと言われています。

しかし、そんな時代もFIFA再加入により終わりを迎えます。

そしてこの時代から各チームは財政に苦しみます。プリメーラAでプレー経験のある48クラブの内、15クラブは現在カテゴリア・プリメーラに存在しません。

1968年に南米諸国に従い前後期の二期制を採用します。

その後も度重なる政情不安や麻薬カルテルの台頭、内戦などサッカーリーグに取って渋難の時代は続きますが、レフェリーが殺害される事件が起こった1989年以外は2019年まで毎年リーグは続いています。

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麻薬王エスコバルは地元のナシオナルに大金を注ぎ込んだと言われる(Image by abc.es)

1991年には二部リーグと三部リーグが発足しました(三部リーグは財政難などの理由で後に消滅)

2001年を最後に年間王者を決めない完全二期制に移行し、その後は毎年2つの優勝クラブを決める形式で今日に至っています。

歴代の優勝回数では、アトレティコ・ナシオナルミジョナレスアメリカ・デ・カリの3チームが圧倒的に強く、そこにデポルティボ・カリジュニオールサンタ・フェインデペンディエンテ・メデジンなどが続いています。