オソリオ監督リバプール時代の素敵エピソード 天才と変人
まさに天才と変人の違いは紙一重
1997年に運動科学を学ぶためリバプールに移住した若いオソリオは大学の授業だけでは満足できなかった。オソリオが本当に知りたかったもの、それは高い壁の向こう側で繰り広げられるリバプールFCの練習だったのだ。
どうしても練習を覗きたかったオソリオは壁の周りを歩き、上の方に小さな隙間を見つけた。
練習場の向かいのクラウン通り11番地のドアをノックしたオソリオは、練習を覗くための何か台になるものを貸していただけませんか?と丁寧に頼んだ。
その家の住民は快くテーブルを貸してやって、練習を見た後オソリオはそれを綺麗に拭いて返却した。
そしてオソリオは次の日も、その次の日もやってきてテーブルに乗り練習を覗き見た。
ある日テーブルを返す時、オソリオはその家は二階に窓があって、ちょうど練習場が見渡せそうなことに気がついた。オソリオは家族を説得。なんとその部屋に住み始めたのだ。
そして小さな窓からリバプールの練習(当時ロイ・エバンズとジェラール・ウリエが指揮)を来る日も来る日も観察した。
試合がある日、家にはケーブルテレビが無かったので、オソリオは近所のパブへ出向き1番良い席を確保した。そして水を一杯とメモ帳を片手に一心不乱に試合を見ていたという。
結局オソリオはNYメトロスター(現レッドブル)のアシスタントコーチに就任する1999年までその家に2年間住んだ。
この家のマックマナス家とは今でも親交がある。
現在58歳のオソリオは当時を思い出してこう語っている。
あの家には愛があって彼らは本当によくしてくれた。素敵な思い出が一杯だよ。僕は機会があるたびに言うんだ、彼らがいたからこそ今監督をしているんだ、ってね。
フアン・カルロス・オソリオ(Juan Carlos Osorio Arbeláez)
1961年コロンビア生まれ
一年で選手を引退しアメリカ、イギリスへ渡り運動科学の勉強をする。
2006年ミジョナリオスで監督業を開始。
これまでにアトレティコ・ナシオナル、サンパウロ、メキシコ代表など。
現在は古巣アトレティコ・ナシオナルで指揮をとる。
尊敬する監督としてアルゼンチン代表やアスレチック・ビルバオの監督を勤めた(現リーズU英)マルセロ・ビエルサをあげている
ビエルサと同じように戦術オタクとして知られる
参考
Juan Carlos Osorio in Liverpool
浮き彫りになる問題と政治の介入【コロンビアリーグ最新情報】【翻訳記事】
【EL TIEMPO紙5月21日の記事「Álvaro Uribe's meeting with football, in detail」の翻訳記事です。リンク参照】
COVID-19によって引き起こされた様々な問題が浮き彫りになりました。
前大統領であるアルバロ・ウリベ・ベレ議員、コロンビアサッカー協会会長のラモン・ジェスルン、ディマジョール会長ホルヘ・エンリケ・ベレス、そして大多数のプロリーグクラブ代表が集まった会合ではコロナウイルスの流行によって停止しているサッカーの再開について調査が行われました。
コロンビアサッカー協会の関係者は、ウリベ前大統領がこの会合をほぼ個人的に要求していたと語りました。しかし蓋を開けてみれば、この68名が参加したビデオ会議はCD党リーダーに加えて、ジュリアン・ゲレーロ観光副大臣、リナ ・ マリア ・ バレラ スポーツ副大臣、そして健康省からルイス ・ アレクサンダー ・ モスコソ、労働省からマウリシオ ・ ルビアーノが出席する「国家会議」となりました。
会議は午後3時に始まり2時間続きました。ウリベ議員はEL TIEMPO紙に対して、この会議の目的は「人々が心配していることを社会的に発信し解決策を見つけること」であると伝えました。クレジットと税負担の緩和、健康プロトコル、再開の日付、暫定的な会場などサッカー界がここ数週間で対処している問題について議論されました。
ウリベ議員はまた参加予定だった、自身が所属する上院 第7委員会で、リーグを早く再開し衛星放送(無料もしくは有料)ができれば、どれだけ有益だろう、と述べました。
「テレビでサッカーリーグを再開することについて皆様がどのように思っているかわかりませんが、私たちは皆スクリーンとテレビに貼り付けになっています。現在コロンビア国民の財布が厳しいことは事実ですが、この「税免除の3日間」は大変な数のデバイスが売れると思います。通常の19%の税は免除になりますから」と会議で発言しました。
【作者注:税免除の日は今年7月に一度、10月に一度予定されている】
その日の午後、ウリベ議員はサッカー界幹部にスタジアムでの最安のチケットの値段やテレビ放送の値段などを尋ねました。
ミジョナリオス会長のエンリケ・カマチョは「ウリベ議員にミジョナリオス会員にとって最安チケットは平均1万5千ペソで、月に40試合あることを計算するとテレビ放送の場合は一試合で千ペソ以下だと説明しました。」と発言。
リオネグロ・アギラスの代表であるフェルナンド・サラサール氏は、ウリベ氏が「共和党時代の最高の大統領」であることを伝えた上で、Win Sportsとの契約にもかかわらず、試合をテレビで放送することを求めました。
昨年2月以来、リーグ戦は独占的にWin Sports+チャンネル(29,900ペソ/月)によって見ることができ、リーグ停止前には約200,000人の加入者がいることが報告されています。
ディマジョール会長のホルヘ・エンリケ・ベレスはウリベ議員と副大臣に対して、9月にリーグが再開するならば、クラブはそれまでに破産してしまうだろうと伝えました。
ウリベ議員はこの発言に対して、政府の調査を迅速化し、期限を短縮するよう副大臣に要請しました。
本紙が相談したクラブの代表の中には、7月に試合ができるように6月から練習を再開すべきだと主張する人もいました。「厚労省は再開をずっと先延ばしにして、雇用を維持するために練習だけを始めてほしいと言っているので、ジレンマに陥っています。一方でウリベ議員と党は、(6月に練習、7月に試合開始を)すべてのプロトコルの下で安全を守りながら早くトレーニングと試合を始めたいという旨を表明しています」と、ある代表は語ります。
スポーツ副大臣は水曜日にラジオ局Univalle Estéreoで、彼女のアイデアは、8月にトレーニングに青信号を出し、9月に競技を再開することであると述べました。
この会議に参加しなかった代表の中にサンタ・フェのエドゥアルド・メンデス代表がいます。
「スポーツは政治と結びつけてはいけないと思います。このようにディマジョールに統治能力がない状況だからこそ、ディマジョールの社長は何かしらの利益を得たいと思っています。政府、イバン・ドゥケ大統領、スポーツ大臣とアルバロ ・ ウリベ議員を尊重しますが、このような会議を行うのは不適切であったと思います。ベレス(ディマジョール会長)が彼個人の利益を転嫁しようとしているように、個人的な利益を求める人間が解決方法を見つけることは不可能だからです。彼は私たちを使って力と影響力を誇示しようとしているのです。」
メンデス(サンタ・フェ)やアギラス・ドラダス(サラサール)などがディマジョール会長に反対する11クラブの一員だったことは重要なことです。ウリベ議員との会議の数時間前、これらのクラブは、「Win Sportsとの契約を尊重し政府の方策を指示する」ことを表明する書類を公開しました。
【写真は翻訳者注】
「今のところコロンビアサッカー再開は不可能」とスポーツ大臣【翻訳記事】
【2020年4月21日EL TIEMPOの
'Por ahora, es imposible que vuelva el fútbol': Ministro del Deporte
の翻訳記事です。リンク参照】
イバン・ドゥケ大統領とアーネスト・ルセナ スポーツ相はコロンビアリーグ再開の不可能性について語りました。
ルセナ大臣はディマジョールが提出したプロトコルを調査する、としましたが、自身がサッカーファンと認めるドゥケ大統領は現時点でサッカーの再開はないとしています。
「サッカーをどうやって再開させるか、ディマジョールと調査してきました。結局のところ選手の健康を守ることが第一です。(無観客でもリーグを再開することは)不可能でしょう。」とルセナ大臣は話しました。
さらに、「(ディマジョールから)プロトコルを受け取ったので、この緊急事態の後に決定を下すため、科学的データと共に近日中に調査する予定です。しかし今のところ、サッカー再開する環境にはありません。」と付け加えた。
大臣は「コロンビアより先にウイルスの感染があり、まだサッカーを再開していない国があります。許可を出して選手を感染させ、翌日にはキャンセルというわけにはいきません。今のところサッカーはないでしょう。プロトコルを分析して様子を見ます」とのべた。
(写真は翻訳者注)
【チーム紹介】 アトレティコ・ナシオナル 〜 緑の絶対王者
チーム紹介第二回はコロンビアの緑の王者
アトレティコ・ナシオナル(Atlético Nacional)
コロンビア第二の都市であるメデジンに本拠地を構える強豪はリーグ初年度から参加するオリ10のうちの1つです。ミジョナリオス、サンタ・フェと同様に下部リーグへの降格を経験していないチームになります。
総獲得タイトルは25(以上)!
続きを読む無観客リーグ開催にふさわしい都市はどこだ?コロンビア国内リーグ最新ニュース【翻訳記事】
【FutbolRedの2020年5月5日の記事 La liga a puerta cerrada : ¿Cuál ciudad sería la mejor sede posible?
の翻訳記事です】
カリ市が立候補。他の大都市も候補に
コロナウイルスがリーグを停止し各チームの財政を苦しめているが、コロンビアリーグは再開へむけて全力を尽くしている。ディマジョール(主催団体)は取りうる安全対策をスポーツ健康省に提出。コロンビアサッカー再開の青信号を待っている。
清水GK ネト・ヴォルピはこんな選手だ! 過去には首脳陣と揉め事も
ブラジル人長身ゴールキーパー
身長189cmのブラジル人ゴールキーパー ネト・ヴォルピ [ Alvino Volpi Neto ] は2012年にブラジル2部リーグのフィゲレンセでプロデビューします。
2018年夏にコロンビアへ活躍の地を移すことになりますが、ブラジルでは4部リーグ相当のインターナシオナルSCでサンタカタリーナの州大会に出場したのを最後に1年間公式戦出場がありませんでした。そのためネトの獲得は少々の驚きと批判を持ってコロンビアのファンに伝えられました。
コロンビアの大名門 アメリカに加入
2018年後期にコロンビアの名門クラブであるアメリカ・デ・カリ(América de Cali ) (通称アメリカ) に加入しましたがチームは低迷。ネトも思うような活躍はできませんでした。
2019年の前期は同リーグのデポルティボ・パスト(Deportivo Pasto)にローンに出されます。
パストでスタメンの座を掴んだネトはジュニオールとの決勝を含む26試合に出場。
クリーンシートが12試合、合計失点がリーグ最小の15点と圧倒的な活躍を見せ、2019年前期の最優秀GKに選出されます。
このシーズン、パストにリーグ準優勝という結果を残し、2019年夏アメリカに堂々の復帰。
2019年後期も好調を維持しシーズンを通してスタメンを張り続けました。
魅力満点のプレースタイル
思い切りのいい飛び出しとシュートブロック。
そのプレースタイルゆえにハイボールを処理し損なうシーンもありますが弱点といえるかは微妙。
あまりボールを持ちたがるタイプではありませんが 1人飛ばしの中距離パスなど自信を持っているようです。また川崎戦で見せた低い弾道でよく伸びるパントキックが話題になりました。
【攻撃の起点】ネトヴォルピのパントキックを間近で撮ってみた!(受け手側の目線もアリ)
特に象徴的なのは2019年後期の決勝戦で見せたこのセーブではないでしょうか?
決勝ゴールにも値するこのビッグセーブはアメリカファンの記憶にも刻まれています。
過去にはコーチと揉め事も
2019年10月のインタビューでアメリカのGKコーチは能力不足だと批判。コーチとは健全な会話、ディスカッションができているとしながらも、自分たちのレベルを上げるためにはより良い人材が必要で、チームは来季はコーチのレベルを上げるための新たなコーチを雇う必要があると強く批判しました。
これによってその週末におこなわれたスーパークラシコ アトレティコ・ナシオナルとの重要な試合でスタメンを外されています。
アメリカは、コロンビア代表に選出経験もあるエデール・チャウクス(Éder Chaux)と新たに契約。2019年シーズンは第2キーパーとして確かな力を示してきたベネズエラ人ジョエル・グラテロル(Joel Graterol)もいることもありゴールキーパーの層は厚いアメリカ。
アメリカ退団 そして清水エスパルスと契約へ
このようなこともあり、活躍にも関わらずシーズン限りでの退団が既定路線になりました。
クラブ幹部もネトと来季の契約をしないことをシーズン終了直後に明言しており、チームを探しているところだったと話しています。
65万ユーロ(7600万円)程度の評価を受けていました。
清水との2年契約で話がまとまりました(20%をアメリカが保持)
愛さずにはいられない素敵な人柄
1年半の短い期間でしたが、その実力と実直な性格でアメリカのファンによく愛された選手でした。
インタビューからもその真面目な人柄がよく伝わってきます。(スペイン語も上手!)
コーチ批判などもその真面目さと向上心ゆえでしょう。
そして昨年末素敵なブラジル人の奥様とご結婚したようです。おめでとうございます!
【奥様ジェニファーさんのインスタグラム】
ネト・ヴォルピ選手の日本での活躍を心から願っています!
今回の記事を書くにあたって以下の記事を参考にしました(リンク参照)
POSTBON LIGA DEPORTIVO
また使用した写真は全てアメリカ・デ・カリ公式ウェブサイトから引用したものです。